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高血圧

Disease

高血圧の原因と治療法

高血圧かもしれない方へ

最近、立ちくらみや頭痛、息切れ、胸がドキドキすることはありませんか?もしかしたらそれは高血圧が原因かもしれません。高血圧は多くの重篤な疾患を引き起こす症状ではありますが、自覚症状が乏しいために”サイレントキラー”とも呼ばれています。自覚症状が乏しい高血圧症状を早期に見つけるのは難しいですが、定期的な健康診断や検診で見つけることが可能です。高血圧は動脈硬化を引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞になる可能性を高めるとされています。また高血圧の原因に腎疾患などの疾患が隠れている可能性があります。

血圧について理解しよう

血圧とは、血液が血管を通って流れるときに、血管の壁にかかる圧力のことを指します。血液は栄養や酸素を体中に運搬するものなので、身体が栄養や酸素を必要としていれば、早く届けるために血圧を高めて血流の速度を上げる必要があります。例えば、睡眠中は身体のエネルギーは運動時よりも必要でないので、自然と血圧や脈拍は遅くなります。一方で、運動をすれば筋肉が酸素やエネルギーを必要とするので、血圧と脈拍が早くなります。
また一般的にいう上の血圧のことを収縮期血圧、下の血圧のことを拡張期血圧と呼びます。

高血圧の診断基準

正常血圧は120/80mmHg未満とされています。これは世界疫学調査の結果、これ以上血圧が上がると心血管疾患の発症リスクが高くなることがわかったためこの数値に設定されました。なお高血圧の診断基準は140/90mmHg以上となっており、正常血圧とは異なることに注意が必要です。

高血圧となってしまう原因

高血圧の原因は一つに絞ることはできませんが、下記に挙げられるものは高血圧となる要素の一つであると考えられています。

・肥満
・飲酒、喫煙
・塩分摂取過多
・運動不足
・睡眠不足、ストレス
・加齢
・遺伝(特にご家族が高血圧の方は要注意です!)

これらが原因である高血圧のことを「本態性高血圧」と言います。

また、睡眠時無呼吸症候群や甲状腺疾患、腎臓疾患、副腎疾患などの別の疾患が原因で高血圧となる場合もあり、そのような高血圧のことを「二次性高血圧」と呼びます。特に近年、睡眠時無呼吸症候群による高血圧の方が非常に増えております。夜間眠っているときの睡眠の質の低下が高血圧を招くのですが、なかなかご自身では気づきにくく、ご家族や医療機関での指摘で初めてわかることも多いです。

高血圧がもたらすリスク

高血圧は、通常、目立つ症状を伴わないという特性があり、前述した通り“サイレントキラー”と言われています。高血圧であるという状態は、血管の壁に過度の圧力がかけられていることを意味し、この状況を放っておけば、血管がダメージを受け続けることになります。

血管は私たちの体全体に存在し、血管が存在しない箇所はほとんどありません。特に、細い血管が密集している部位は、その影響を受けやすく、具体的には脳、腎臓、眼の網膜などが該当します。また、血液を体全体に送り出す役割があるため、心臓にも高血圧の合併症が現れやすい臓器となります。それぞれの部位で、脳卒中、腎臓障害、眼底出血、心不全などの重篤な疾患を引き起こす可能性があります。

食生活の改善で高血圧を管理

高血圧であると診断された場合、食生活を見直すことが有効です。特に大事なのは塩分を控えることです。塩分過多の方が塩分制限を行うだけで高血圧が改善することも珍しくありません。しかし知らないうちに塩分過多になっていることが多く、朝食のパンやバター、お味噌汁に漬物、ちょっと醤油をかけるなど、知らず知らずのうちに摂取してしまっていることがあるので要注意です。高血圧の方の塩分目標は6g/日ですが、実践してみるとかなり薄味になるはずです。そのほかに果物や野菜の摂取、コレステロールを多く含む食品を避ける、魚を摂る、適量のカロリーの摂取、そして飲酒を控えることも重要です。

高血圧に対する薬(降圧薬)とは

アンジオテンシン変換酵素阻害薬

アンジオテンシンⅠがアンジオテンシンⅡという血圧を上げる働きを持つホルモンに変わることを防ぎ、血圧を下げます。
副作用:空咳、のどの違和感、むくみ

アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬

アンジオテンシンⅡという血圧を上げる働きを持つホルモンの邪魔をすることで、血圧を下げます。
副作用:軽い動悸やめまい

カルシウム阻害薬

血管を拡げることで、相対的に血圧を下げます。
副作用:顔のほてり、むくみ、頭痛、動悸、便秘など

利尿薬

腎臓を活発化させ、余分な塩分と水分を体外へ排出することで、血圧を下げます。
副作用:脱水・低カリウム血症、糖尿病、痛風

アルファ遮断薬

血圧を上げる神経の働きを抑えることで、血圧を下げます。
副作用:立ちくらみやめまいなど

ベータ遮断薬

血圧を上げる神経の働きを抑えることで、血圧を下げます。
副作用:脈拍が遅くなる、手足の冷えなど

血圧の薬は、毎日同じ時間に飲みましょう。家庭での血圧が高くなくても勝手に薬を飲むのをやめないでください。一時的に血圧が下がったからといって、自分の判断で服用を止めたりすると、血圧は戻ってしまいます。血圧の上下が繰り返されると血管に傷を付ける原因ともなります。

薬を飲み忘れた時の対処法は、薬によって異なりますので、事前に医師に指示を受けておくようにしましょう。飲み忘れても、まとめて飲まないでください。
お薬の効果を出すために、また副作用を防ぐためには、医師に指示された通りの時間に、指示された通りの量の薬を飲み続けることが大切です。

服用方法は年齢、症状により適宜増減されることがあります。 医師の指示通りに服用してください。

上記に示した副作用は、薬によって生じるもの生じないものや軽度のものから重度のものまで記載しております。

動脈硬化予防のための検査

高血圧は前述した通り、「動脈硬化」の危険因子の一つです。動脈硬化は脳梗塞や、肺塞栓、心筋梗塞などの命に関わる重大な疾患の要因となります。そのため糖尿病を予防することはもちろんですが、動脈硬化を予防することも必要不可欠となります。

心電図

心電図検査は、動脈硬化が引き起こす心疾患である心筋梗塞や心臓の異常なリズムを検出するのに役立ちます。

頸動脈超音波検査

超音波検査は頸動脈における動脈硬化がどの程度かを身体に負担をかけることなく調べることができる検査です。検査によって血管の詰まりやプラークなどの動脈硬化所見が見られる場合、病状が進行している可能性があります。