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大人の肺炎予防

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大人の肺炎予防|かとうクリニック 内科・呼吸器内科|佐賀市本庄町の内科・呼吸器内科

なぜ今、大人の肺炎予防が大切なのか

佐賀市本庄のかとうクリニック 内科・呼吸器内科は、内科・呼吸器内科の専門クリニックとして、地域の皆様の「息の健康」を支えることを使命としています。私たちが日々の診療の中で特に重要視し、啓発に努めているのが「肺炎」の予防です。
肺炎は、特にご高齢の方や、もともと持病をお持ちの方にとって、決して軽視できない深刻な病気です。そして、その原因菌としてよく知られているのが「肺炎球菌」です。
この度、成人の肺炎予防に特化して開発された、最新の肺炎球菌結合型ワクチン「キャップバックス®」が登場しました。この新しいワクチンは、従来の予防策ではカバーしきれなかった感染症の原因となる血清型にも焦点を当てており、より包括的な予防策として注目されています。
この記事では、佐賀市の皆様に安心して「キャップバックス®」をご検討いただくために、その特徴や必要性、当院での接種について、専門的な知見に基づきながら、わかりやすく解説いたします。

肺炎球菌感染症の深刻な実態:他人事ではない重症化のリスク

肺炎球菌は、肺炎だけでなく、菌が血液中や髄液に侵入する「侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)」を引き起こすことがあります。IPDは、非常に重篤化しやすく、生命を脅かす感染症です。

侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)が
もたらす疾病負担【国内データ】

国内のサーベイランスデータを見ると、その深刻さがわかります。

年齢とともに高まるリスク

侵襲性肺炎球菌感染症の届出数は、55歳から59歳の層から増加し始め、70歳から74歳で最多となっています。年齢が上がるにつれて、感染症の危険性が高まる傾向が見られます。

予後の厳しさ

侵襲性肺炎球菌感染症に罹患した成人患者様の予後は厳しく、調査対象となった患者様の22.1%が死亡し、8.7%の方に明らかな後遺症が確認されています。

急激な経過

さらに注目すべきは、死亡例のうち、ほぼ半数にあたる25例が発症から2日以内で亡くなっており、非常に急激な経過をたどるケースが多いということです。

このように、肺炎球菌による感染症は、一度発症すると迅速な治療が求められるだけでなく、致命率も高いため、発症そのものを防ぐ「予防」の重要性が極めて高いと言えます。

「キャップバックス®」の特性:成人に特化し、進化する菌に対応

キャップバックス®は、従来のワクチンではカバーしきれなかった、現在の日本における肺炎球菌の流行状況に合わせて開発されました。

成人における高いカバー率を実現

キャップバックス®は、肺炎球菌感染症の予防を目的として、初めて成人に特化して開発された肺炎球菌結合型ワクチンです。
小児への肺炎球菌ワクチンの普及に伴い、成人における侵襲性肺炎球菌感染症の原因となる血清型(菌のタイプ)の疫学が変化しています。キャップバックス®は、この変化を踏まえて含有する血清型が選択されました。
国内の最新データ(2024年)に基づくと、侵襲性肺炎球菌感染症の原因と報告された血清型を80.3%カバーしています(交差反応性血清型15Bを含まないカバー率)。この高いカバー率は、現在の成人のリスクに対応するための強力なツールとなります。

他のワクチンに対する
優越性と非劣性

臨床試験の結果、キャップバックス®は、既存のワクチンと比較して有効性が示されています。

キャップバックス®固有の血清型への対応

肺炎球菌ワクチンの接種歴がない65歳以上の日本人成人を対象とした試験では、従来のPPSV23と比較して、キャップバックス®固有の8血清型において、より高い免疫応答が誘導されること(優越性)が検証されています。

既存の血清型への対応

PPSV23と共通する12血清型に対しては、PPSV23と同程度の免疫応答を誘導すること(非劣性)が検証されました。

接種歴がある方への追加接種

1年以上前に肺炎球菌ワクチンの接種歴がある50歳以上の成人に追加でキャップバックス®を接種した場合でも、含有する21種類の血清型に対して免疫応答が誘導されたことが確認されています。

このように、キャップバックス®は、従来のワクチンで対応していた血清型に加え、成人で現在問題となっている血清型に対しても強い免疫応答を誘導できることが示されています。

統合型ワクチンキャップバックス®がカバーする血清型の円グラフ

接種の対象者:リスク因子を持つ佐賀市民の皆様へ

「キャップバックス®」の効能又は効果は、高齢者、または肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人における肺炎球菌による感染症の予防です。
当院では、特に佐賀市内で以下のような健康上のリスク因子をお持ちの方に、積極的なご相談をお勧めしています。

肺炎球菌感染症に罹患する
リスクが高いとされる成人

肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人とは、以下のような状態の方を指します。

慢性の基礎疾患
  • 慢性的な肺疾患
  • 糖尿病
  • 慢性的な心疾患、肝疾患、腎疾患
免疫力の低下
  • 基礎疾患や治療(がん治療など)により免疫不全状態である、またはその状態が疑われる方
  • 先天的または後天的無脾症の方、鎌状赤血球症の方
その他
  • 人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御能が低下した方
  • 上記以外で医師が本剤の接種を必要と認めた方
  • 国内の調査では、基礎疾患がない方と比較して、慢性肺疾患を持つ方は肺炎球菌性肺炎の罹患リスクが5.2倍と最も高く、慢性心疾患・慢性腎疾患が2.6倍、糖尿病が1.9倍など、リスクが大幅に上昇することが報告されています。

当院は呼吸器内科として、慢性肺疾患をお持ちの方の予防接種と、その後の呼吸器リハビリテーションを含めたトータルケアに力を入れています。リスクを抱えながらも元気に過ごしていただくために、最新のワクチンをぜひご検討ください。

接種方法と安全性に関するよくあるご質問

接種方法について

キャップバックス®は、1回0.5mLを筋肉内に注射します。
医師が特に必要と判断した場合、新型コロナワクチン、インフルエンザワクチン、帯状疱疹ワクチンなど、他のワクチンと同時に接種することが可能です。接種回数を減らしたい場合や、最適な接種スケジュールをご希望の場合は、診察時にご相談ください。

副反応(接種後の症状)について

ワクチン接種で気になるのは副反応ですが、臨床試験では安全性が評価されています。
主な副反応として報告されているのは、注射部位の疼痛、疲労、頭痛などです。
例えば、国際共同試験において、肺炎球菌ワクチンの接種歴がない50歳以上の成人を対象とした場合、キャップバックス®群(1,177例)の主な有害事象は注射部位疼痛(40.0%)、疲労(20.4%)、頭痛(13.8%)でした。また、接種歴がある成人を対象とした試験でも同様に、注射部位疼痛(35.7%~43.8%)、疲労(14.3%~21.9%)などが主な有害事象として認められています。
重篤な副反応としては、ショックやアナフィラキシーが起こる可能性が挙げられていますが、頻度は不明です。多くの臨床試験において、重篤な副反応は稀であり、重篤な有害事象や死亡例は、ワクチンとの関連性なしと判定されています。

ご心配な点があれば、当院の医師やスタッフに遠慮なくお尋ねください。私たちは、安全に、安心して予防接種を受けていただけるようサポートいたします。

佐賀市かとうクリニックへ:肺炎予防の第一歩を踏み出すために

当院で接種を受けるメリット

かとうクリニックは、呼吸器疾患の専門家として、患者様のリスク評価を適切に行い、最適な予防策を提案することにコミットしています。
新しいワクチン「キャップバックス®」は、現在の疫学に対応し、従来のワクチンでは不十分だった血清型への対策を強化した、成人の予防医療における大きな進歩です。この最新のワクチンを佐賀市の皆様にお届けすることで、重篤な肺炎球菌感染症から皆様の健康をお守りしたいと考えております。

接種のご相談・ご予約は
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大切なご自身とご家族の健康を守るため、最新の予防策を始めましょう。
キャップバックス®の接種をご希望の方、またはご自身が接種対象かどうか専門医に相談したい方は、ぜひ当院にご連絡ください。当院ではスムーズな診療のため、予約制を推奨しております。
費用に関してはお電話にて当院までご連絡くださいませ。

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